ウォルラス音楽出版 Walrus Music Publishing - Publisher who’s who
今回は、Publisher who’s who ということで、ウォルラス音楽出版をご紹介いたします。お楽しみいただけると幸いです。
ウォルラス音楽出版 Walrus Music Publishing
Publisher who’s who
概要
1987年ごろ米国カリフォルニア州にて ダニー・ビハー(Danny Beher)さんと エイデル・ビハー(Adele Beher)さん夫妻により創設。オーナー夫妻のリタイアのため、2014年7月に イージャズラインズ社(ejazzlines) により買収され同社の主要ブランドの一つとなる。
特徴
レコード会社シーブリーズ社(Sea Breeze社)と兄弟姉妹関係(オーナーが共通)にあったことで、独立系現役ジャズアーティストによるビッグバンド譜面を作品を数多く出版しつづけている。
主なアーティスト
リンク先はアーティスト毎の商品一覧です。
- トム・クービス(Tom Kubis)
- ジョン・ラ・バーベラ(John La Barbera)
- マイク・クロッティ(Mike Crotty)
- ゴードン・グットウィン(Gordon Goodwin)
- ライアン・ヘインズ(Ryan Haines)
- ドン・メンツァ(Don Menza)
- ボブ・フローレンス(Bob Florence)
- フィル・ケリー(Phil Kelly)
- ロブ・マッコネル(Rob McConnell)
- ジョン・フェチョック(John Fedchock)
他多数。本当にたくさんのアーティストの作品を出版しています。
思い出
アムレスで取り扱いを開始した1990年代の後半頃、ウォルラス社の譜面は『青焼き』で、カバーシート(表紙)はピンク色の画用紙に黒マジックで譜面タイトルが手書きされていました。その上、譜面のサイズも今より一回り大きかったため、その取扱いにはかなり気を使いました。
『出版=合法的な大量印刷』と認識していたので、最初にその実物を見たときは「だれでもできるただの複写物を出版物として売るのか」と大きな衝撃を受けました。
また、『アーティストから提供された譜面を編集せずにそのまま原稿として使用する』というポリシーで出版されていたため、楽譜の体裁も手書きやコンピュータ浄書など多様に富んでいました。
現在は
イージャズラインズ社に買収された後から、すべての楽譜のカバーシートが手書きから印刷になりました。少しずつですが、フルスコアが準備されたりもしています。
また、タイム・チェック(Time Check)や シャイニー・ストッキングス(Shiny Stockings)のようにウォルラス社からジャズ・ラインズ社(Jazz Lines Publications)に版元が移管されたタイトルもあります。
買収後もとても良い形でウォルラス社の事業が継続されているようです。
ひとこと
アムレスでは、ウォルラス社の出版物の中では、マット・キャッティンガブ(Matt Catingub)さんのビッグバンド譜面が長い間トップセールスを続けてきました。
ですが、キャッティンガブさんとウォルラス社との間の出版契約条件に何らかの問題があったようで、多くの売れ線タイトルが絶版扱い(出版見合わせ)となっています。
いつかまたウォルラス社からキャッティンガブさんのタイトルが出版されると良いなと思っています。
(この記事は2021年6月25日発行のメールニュースの記事に修正を加えたものです。)
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