どこまで上げる? tension テンションとは

Photo: Vlad VasnetsovによるPixabayからの画像

Jazzには欠かせないテンション・コード。『テンション』を軽い気持ちで調べ始めたらなかなか大変なことになってしまいました。

 

日本語ウィキペディアでは

英語、(オランダ語)、スペイン語、エストニア語、マケドニア語、中国語、日本語の解説がありますが、日本の解説が一番充実しています。

というか日本語のようにジャズコード理論のような内容を書いてある言語はありません。 これはどういうことでしょうか?

 

一般的には

日本で一般的に使われている『テンションが上がる』は『気分が高揚する』の意味で使われることが多いですが、この『テンション』は『気持ち』や『気分』を指しており、英語の tension の意味とは異なります。 なぜこうなってしまったのでしょうか? 良く分かりません。言語学者さんだったらご存知でしょうか。

 

音楽的な tension(英語)

日本語以外の wikipediaでの説明を見ますと、tension (music) は、対になる release や relax (弛緩、緩和)という言葉とともに、『緊張』という意味合いで説明されています。 オランダ語の wikipedia はテンションそのものではなく、テンションアーク(蘭 spanningsboog)についての説明でした。

 

Jazz コード的なテンション

Jazzで良く使われるコード(和音)は四和音(七の和音)が基本となっています。その基本の四和音に対し、9th, 11th, 13th などの付加された音は緊張をもたらすという意味合いで、テンション(tension)またはテンションノート(tension note)と呼ばれます。

ということで、日本語ウィキペディアに書かれていたのはこの Jazzコード的なテンション の説明です。

 

緊張と弛緩

日本語ウィキペディアのテンションと、日本語以外の wikipedia の tension で説明されている対象が異なることが分かりました。では、日本語以外の wikipedia の tension で説明されている概念が日本では無いのかと心配になりますが、そんなことはありません。『音楽 緊張 弛緩』でググってみてください。音楽的な『緊張と弛緩』については、クラシック系の音楽家のみなさまが強いようです。

テンションを上げ続け

ピアノやギターの弦の張力(tension)を上げ続けると、弦が切れたり本体の一部が破損したりします。トランペットなど金管楽器の唇の張力(tension)を上げ続けると、唇が切れますね。張力という意味合いでのテンションはほどほどが良さそうです。

気分高揚的なテンションも上げ続けると限界が見えてきて疲れますよね。こちらもほどほどに。

(嬉しいことに)Jazzコード的なテンションは12音階平均律の中では限界があり、13thより上のテンションノートは理論的に存在しません。微分音や自由音程の楽器を使えば何かしらの表現ができるのかも知れませんが、12音階平均律システムから逸脱してしまうため、再現性に乏しくなります。ということでこちらのテンションは 13th(サーティーンス)が限界ッス。

 

テンションノート(コード)が分からない場合

日本語ウィキペディアの説明とともに、洗足学園さんの洗足オンラインスクールをおすすめします。

 

参考資料

各国語ウィキペディア

洗足学園さん 洗足オンラインスクール

その他

The word

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