暗さを吹っ飛ばす シング・シング・シング Sing Sing Sing - Part I - dive into a song

Please Don't sell My Artwork AS ISによるPixabayからの画像

 

今回は、ホットなビッグバンド音楽を代表する一曲と言っても過言ではないでしょう。シング・シング・シング(Sing, Sing, Sing)をご紹介いたします。

 

どんな曲

シング・シング・シングは、ジャズ曲として紹介されることも多いですが、モダン・ジャズではなくスウィング・ジャズの楽曲です。シング・シング・シングというよりもダンス・ダンス・ダンスといった雰囲気で、ちょっと騒がしい曲ですね(笑)

曲調はブリッジ部を除きマイナー(短調)ですが、騒がしさで暗さが吹き飛ばされている感じです。

ビッグバンドならではの編成の多さを生かしたダイナミックな編曲と、ドラムス、クラリネット、トランペットなどによるアドリブ・ソロが聴きもの(聴かせもの)です。

東京ディズニーシーの『ビッグバンド・ビート』(Big Band Beat)でもフィーチャーされていますね!

初期録音の歴史

YouTube音源とともにシング・シング・シングの初期の録音をご紹介します。

1936年2月、ルイス・プリマ(Louis Prima)とニュー・オーリンズ・ギャング(New Orleans Gang)の演奏で78回転のSP盤レコードが発売されました。作詞作曲は、同録音でトランペットと歌を披露しているルイス・プリマさんです。

1936年8月、フレッチャー・ヘンダーソンさんがボーカル+ビッグバンドの編成で録音しレコードが発売されました。この録音はあまり知られていないようです。

1937年7月、当時人気を博していたベニー・グッドマン(Benny Goodman)さんのビッグバンドにより、ジミー・マンデイ(Jimmy Mundy)さんのアレンジで録音されます。この録音は当時の10インチSP盤レコードの片面あたり収録最大時間を超えたため、途中で分けられて12インチSP盤レコードの両面に収録されました。

1938年1月16日、ベニー・グッドマンさんがカウント・ベイシーさんやデューク・エリントンさんがゲストで迎えられた(伝説の)カーネギー・ホール・コンサートを開いた際にも、ステージの最後を盛り上げるクライマックス曲として演奏されました。こちらの録音は 1950年2枚組LPレコードで初めて一般発売されました。

この後、多くのアーティストにカバーされましたが、基本的にベニー・グッドマンさんの演奏したバージョンがシング・シング・シングの標準となっていきます。

吹奏楽やマーチングバンドにも最適

シング・シング・シングは、ダイナミックでアップテンポ、そしてビッグバンドの曲によくある『サックス・ソリ』のようなものも無いので、演奏を盛り上げる曲(バンドの勢いを聴いてもらう曲)として、ビッグバンドに限らず吹奏楽やマーチングバンドにも適した曲です。

モダンビッグバンドでは

モダンビッグバンド、というか割と最近ぽいバンドでは、

らによって演奏されたビッグバンド譜面が発売されています。(リンク先は譜面セットの商品詳細ページです。)

EDMと相性が良い?

個人的に感じているのですが、EDM(または Electro Pop や Electro Swing)とも相性が良いように感じます。 こちらの YouTube音源を聴いてみてください。 ディスコが流行っていた1976年にリリースされた、チャーリー・カレーロ(Charlie Calello)さんのアレンジですが、最近の EDM に近いものがありますよね。だれかこんな感じでアレンジして譜面を出してくれたら……。売れるかな? 吹奏楽やマーチングバンドでこんな感じのアレンジがあってもおかしくないですね。

EDMについてはこちらをご覧ください。

 

今回は以上となります。シング・シング・シングはポピュラーな楽曲だけあって、他にもいくつかお知らせできそうなことがありましたので、また機会がございましたら Part 2 としてご紹介させていただきます。

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参考資料

Dive into a songビッグバンド譜面

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