Photo: Jill WellingtonによるPixabayからの画像
今回はイギリス民謡そして讃美歌としてもおなじみの、グリーンスリーブス(Greensleeves)を取り上げます。お楽しみいただけると幸いです。
どんな曲
英国イングランド地方の古い民謡で、3拍子の物悲しい印象のする旋律です。 演奏スケールはドリアン・モードとエオリア・モードの2種類存在します。どちらが正しいということはありません。
“What Child Is This?”(ホワット・チャイルド・イズ・ディス / 御使いうたいて)と言うクリスマス讃美歌でも知られている通り、年末年始のシーズンに演奏されることが多いです。
また雰囲気的に合っているのでしょう、ヴィンス・ガラルディ(Vince Guaraldi)さん、オスカー・ピーターソン(Oscar Peterson)さん、ジョン・コルトレーン(John Coltrane)さんなどジャズ・プレイヤーにも演奏されることが多い曲です。
ちょっと脱線
英国スコットランド地方の民謡に、”Comin’ Thro’ The Rye”(カミン・スル・ザ・ライ)という曲があります。ドリフターズが歌ってた「誰かさんと誰かさんは麦畑♪」というアレです。
原曲のタイトルの意味は、『(背の高い)ライ麦畑を抜けてきて』、なんですけど、その歌詞の意味は「ライ麦畑に隠れて何かエエことしてたんやな〜」みたいな感じらしいです。
”Comin’ Thro’ The Rye”とおなじ曲であり唱歌として知られている『故郷の空』の歌詞の健全さに比べると、何と不健全なことでしょう!
そこへいくとドリフターズが歌った『誰かさんと誰かさん』の歌詞は原曲の意味を踏襲しており偉かったと思います。
緑の袖
話をグリーンスリーブスに戻します。
日本語ウィキペディアの説明によると、なんと、グリーンスリーブスにも卑猥な意味が隠されているとのことです!
作詞者不明で15世紀以前からの口頭伝承の曲ですが、作者と解釈者双方の妄想が激しくてまさに「草が生えそう」ですwww。
イメチェン大成功
19世紀半ば過ぎに、グリーンスリーブスのメロディに、イギリスの William Chatterton Dix(ウィリアム・チャタートン・ディクス)さんが作った歌詞が当てられ讃美歌 ”What Child Is This?”となり、その讃美歌がアメリカ合衆国で受け入れらたことにより、そのメロディーはとてもポピュラーなものとなりました。
猥雑なイメージ払拭です。 グリーンからクリーンへ、緑から純白へ。
今では、両方の曲名で親しまれていますが、演奏される場合、インストゥルメンタルではグリーンスリーブス、歌はホワット・チャイルド・イズ・ディスが多いようです。
余談ですが、平和堂(地元スーパーマーケット)のBGMで流れていたグリーンスリーブスは『ドリアン・モード』でした♪。
商品紹介
音楽団体向け楽譜
個別楽器向け楽譜
参考資料
- Greensleeves - Wikipedia
- グリーンスリーブス - Wikipedia
- グリーンスリーブス 歌詞の意味・和訳 イングランド民謡 | 世界の民謡・童謡
- What Child Is This? - Wikipedia
- 御使いうたいて - Wikipedia
- 御使いうたいて 歌詞の意味・和訳 What Child Is This | 世界の民謡・童謡
- ‘Greensleeves’ — an irresistible earworm, from Henry VIII to Elvis — FT.com
- 楽譜書籍・教則本 STORIES OF THE GREAT CHRISTMAS CAROLS [BOOKM-94307] | 輸入楽譜専門店アムレス
- 故郷の空 - Wikipedia
- Comin’ Thro’ the Rye - Wikipedia