数あるカウント・ベイシー・ビッグバンド(Count Basie Big Band)の音源の中から、「学生ビッグバンドに人気」と言われ続けてきた、『ベイシー・ストレイト・アヘッド』(Basie - Straight Ahead)をご紹介します。
『ベイシー・ストレイト・アヘッド』を聴こう!
『ベイシー・ストレイト・アヘッド』は、1968年、カウント・ベイシー楽団がアレンジャーにサミー・ネスティコ(Sammy Nestico)さんを迎えて作られたスタジオアルバムです。
原題は “Basie - Straight Ahead” と言い、直訳すると『ベイシー一直線』とか『まっすぐベイシー』みたいな感じでしょうか。
音源リンク
- Apple Music - Basie Straight Ahead - Count Basie and His Orchestra
- Spotify - Straight Ahead - Count Basie
- YouTube - Straight Ahead - カウント・ベイシー・オーケストラ
CDもまだ入手できるようですね。
ここから先は音源を聴きながらご覧ください。
収録曲
“Basie - Straight Ahead”の収録曲を YouTubeや Spotifyの再生回数とともに、アルバムの順番に並べてみます。なお、LPレコードでは 『5. Magic Flea』までがA面、『6. Switch In Time』以降がB面でした。
曲目 | YouTube再生回数 / 順位 | Spotify再生回数 / 順位 | アムレス譜面人気順位 |
---|---|---|---|
1. Basie - Straight Ahead ベイシー・ストレイト・アヘッド | 14万 / 2位 | 136万 / 4位 | 2位(譜面リンク) |
2. It’s Oh, So Nice イッツ・オー・ソー・ナイス | 9.4万 / 4位 | 285万 / 1位 | 8位(譜面リンク) |
3. Lonely Street ロンリー・ストリート | 2.5万 / 9位 | 20万 / 9位 | 5位(譜面リンク) |
4. Fun Time ファン・タイム | 7.4万 / 6位 | 26万 / 8位 | -(絶版) |
5. Magic Flea マジック・フリー | 7.4万 / 6位 | 28万 / 7位 | 1位(譜面リンク) |
6. Switch In Time スウィッチ・イン・タイム | 8.4万 / 5位 | 57万 / 5位 | 3位(譜面リンク) |
7. Hay Burner ヘイ・バーナー | 14万 / 2位 | 235万 / 3位 | 4位(譜面リンク) |
8. That Warm Feeling ザット・ウォーム・フィーリング | 5万 / 8位 | 33万 / 6位 | 6位(譜面リンク) |
9. The Queen Bee クイーン・ビー | 16万 / 1位 | 265万 / 2位 | 7位(譜面リンク) |
YouTube再生回数 調査日:2022年4月12日
Spotify再生回数 調査日:2022年4月14日
アムレス人気順位 調査日:2022年4月14日
なぜ『ベイシー・ストレイト・アヘッド』なのか
初心者向けに紹介しているから簡単な音楽ということではありません。 アルバム『ベイシー・ストレイト・アヘッド』には次のような特徴があるからです。
- 譜面が 『ビッグバンド演奏の基礎素材』 として世界的に定着している
- サミー・ネスティコさんがアレンジャーとしてカウント・ベイシー・ビッグバンドに本格参加を始めたアルバム
『ベイシー・ストレイト・アヘッド』がビッグバンド演奏の基礎素材となった経緯
1968年に、高校生くらいのビッグバンド向け教材として、サミー・ネスティコさんの協力を得てケンドール社(Kendor, 米国)がベイシー楽団の音源にほぼマッチしたビッグバンド譜面をリアルタイムに出版したことが強く影響しています。
現代のビッグバンド系プロフェッショナルミュージシャンはほぼその洗礼を受けている、つまり自身のビッグバンド教材としてアルバム『ベイシー・ストレイト・アヘッド』の収録楽曲を演奏してきた ものと思われます。
『ベイシー・ストレイト・アヘッド』の音源不在時期
まったく個人的な話ですが、私が池袋のアマチュアビッグバンドで演奏を始めた1993年ごろから、アルバムがCD化される1997年までの間、『ベイシー・ストレイト・アヘッド』はほぼ幻の音源でした。
"Switch In Time" や "Queen Bee" などの曲はビッグバンドで練習する、そして、周りの人から「あのアルバム良いよね!」的な話がたくさんある、でも、ベイシー楽団の音源を聴けない、という苦々しい状況でした。
1997年のこのアルバムのCD化は日本盤が世界初とのことで、当時とても嬉しかったことを覚えています。
この日本盤は、ジャケットにリングウェアというLP盤特有の擦れがあったり、ジャケット色味が青かったり、Hay Burnerの綴りが間違っていたりなど、興味深い特徴があります。
今は、ストリーミングサービスのお陰で、いつでも音源が聴けるようになりました。
ありがたいことです。
店長おすすめの曲
アルバム全体を通して聴いていただくのが一番良いのですが、ご参考までに私のおすすめ曲をご紹介します。
- Queen Bee クイーン・ビー - ネスティコさんがベイシー楽団に採用されるきっかけとなった曲です。ミディアム・テンポのスウィングですが、アレンジもかなり凝っています。
- Basie Straight Ahead ベイシー・ストレイト・アヘッド - これぞベイシーといった感じのアップテンポ・スウィング。
- Hay Burner ヘイ・バーナー - 『馬のまぐさ』を表しているそうです。ミディアム・テンポ・スウィング。田舎道を散歩しているような牧歌的な雰囲気があります。
参考資料
Discogs
たぶんこの記事を見たあなたの人生は、これからベイシーまみれになります(笑)。
更新履歴
- 2022年4月15日: メールニュース配信
- 2022年5月7日: ブログ投稿