バンド活動がいつのまにかグローバル企業に Hal Leonard - Publisher who's who

今回はグループ会社を含めると世界一の規模とされる、ハル・レオナルド社(ハル・レナード社, Hal Leonard LLC)を取り上げます。

来歴

1947年、アメリカ合衆国ミネソタ州で、ハロルド・ハル・エドストロム(Harold “Hal” Edstrom)さん、 エヴェレット・レオナルド・エドストロム(Everett “Leonard” Edstrom)さんの兄弟、そして友人ロジャー・バスディッカー(Roger Busdicker)さんによって設立されました。ハル・レオナルド(Hal Leonard)の社名は、3人が組んでいたダンスバンド名 Hal Leonard Bandから引き継がれ、ハロルドさんとバスディッカーさんは高校バンド向けのアレンジを、エヴェレットさんは楽器店運営を主に行っていました。

ハロルドさんとバスディッカーさんのポピュラー曲のアレンジ作品を合法的に配布するため、ニューヨークの多くの音楽出版社と権利契約を結んだことで、ハル・レオナルド社の出版事業が本格的に始まりました。

規模拡大

多くの音楽出版社と権利契約を結び、きちっと販売に結びつけたからでしょう、また、経営陣の拡大戦略もあったためでしょう、ハル・レオナルド社は現在も取り扱いブランドの拡大を続けています。

ハル・レオナルド社が吸収合併した出版社は、私がパッと思いつくだけでも、ルバンク(Rubank), ジェンソン(Jenson), サザン・ミュージック(Southern Music)が挙げられます。ハル・レオナルド社が吸収合併してきたブランドは数え切れません。(中の人でも知るのは難しいかも……)

また、ハル・レオナルド社が現在、出版物配布契約を受託している米国の出版社は、セカンド・フロアー・ミュージック社(Second Floor Music)、アレンジャーズ社(Arrangers’ Publishing)、バークリー・プレス社(Berklee Press)などがあります。

ここ数年の動きでは、ハル・レオナルド・MGB社(Hal Leonard MGB)を設立し、オランダの吹奏楽譜面出版社デハスケ社(De Haske)を買収、そしてイギリスのミユージック・セールス・グループ(Music Sales Group)から印刷出版部門を買収したことにより、北米のみならずヨーロッパでの活動も活発化させています。

そのような経緯もあり、同社の取り扱い商品数は有に100万タイトルを超えています。

新技術の利用

デジタル楽譜販売のシート・ミュージック・ダイレクト(Sheet Music Direct)やエッセンシャル・エレメンツ・インタラクティブ(Essential Elements Interactive)、ハル・レオナルド・デジタル・ブックス(Hal Leonard Digital Books)のなど新技術の開発にも熱心です。

オンライン作曲コミュニティのノートフライト(Noteflight)、オンライントレーニングのグルーブ3(Groove 3)の買収なども行ってきました。

特徴

アムレスで主に取り扱っているジャンルであるビッグバンド、ジャズ・アンサンブル、マーチングバンドの楽譜に絞りますと、ハル・レオナルド社は、ワーナー以外のメジャー音楽出版社を抑えていることもあり、 ポピュラー系の楽曲には特に強い です。

また取り扱い楽曲数の規模を生かし、ジャズ・コンボ・パックジャズ・ピアノ・ソロなど曲集のシリーズ化も得意としています。

楽譜リンク

団体向け

個別楽器向け

参考資料

Publisher who's whoビッグバンド譜面マーチングバンド楽譜吹奏楽楽譜弦楽合奏楽譜輸入楽譜

コメントを残す