いにしえのCL バーンハウス社 C.L. Barnhouse - Publisher who’s who

今回は、吹奏楽では昔からよく知られている C.L. バーンハウス社(C.L. Barnhouse Company, 以下 バーンハウス社)をとりあげます。

 

バーンハウス社とは

まず「社名の頭の”C.L.”って何?」ということが気になりますが、それはとりあえず置いておいて、簡単な社歴から。

バーンハウス社の会社設立は1886年! 2022年時点で、設立136年ということです。

ヨーロッパでしたらともかく、米国の楽譜出版社ではまず目にしないくらいの老舗です。 ちなみにアムレスと取引のある米国の楽譜出版社の中で一番古いのはカール・フィッシャー社(Carl Fischer)だと思います。カール・フィッシャー社の会社設立は1872年です。

バーンハウス社の本社は、アメリカ合衆国アイオワ州オスカルーサ(Oskaloosa, Iowa)という街にあります。(人口12000人弱とのことなので、都会か田舎かと言うと……)

その長い歴史の間には、軍楽隊に楽譜を供給していた時期があり、マーチの分野でもスタンダードとなっている楽曲を沢山出版しています。

また、米国スクールバンド用の楽譜を主に出版してきただけあって、吹奏楽の分野では、抜群に知名度が高い出版社です。

 

社名の頭の C.L. とは

社名 “C.L. Barnhouse Company” の元は、創業者であるチャールズ・ロイド・バーンハウス(Charles Lloyd Barnhouse)さんの名前です。

つまり、C.L. は Charles Lloyd の省略形ということになります。(覚えなくて良いことです!)

バーンハウス社は、100年以上同族経営が続きましたが、現在は、作編曲家のアンディ・クラーク(Andy Clark)さんがCEOとして同社を率いています。

個人的には、社名から “C.L.” がいつか無くなるのではないかと思っています。

 

バーンハウス社のウェブサイト

https://barnhouse.com FAQがとても良くまとまっていますし、ウェブサイトもいつの間にかとても使いやすくなっています。

オンラインカタログを見てみますと、商品のフィルタリング機能は各出版社の中では一番性能が良い感じです。(アムレスも負けていられない……)

 

アムレスから見てバーンハウス社のビッグバンド譜面はどうなん?

バーンハウス社は初級から中級向けのビッグバンド譜面をたくさん出版しています。

アムレスでは1970年代から1980年代の古いタイトルに人気があります。

人気のあるアーティストは、ジェフ・テイラー(Jeff Taylor)さん、ラルフ・ジンジェリー(Ralph Gingery)さん、フランク・マントゥース(Frank Mantooth)さん、ゴードン・グッドウィン(Gordon Goodwin)さん、ジェイ・チャタウェイ(Jay Chattaway)さん辺りです。

新譜も毎年出していますが、ジャズのスタンダード曲がほとんど無いためあまり人気がありません。

ここら辺りは米国と日本での学校ビッグバンド事情の違いに起因しているものと思われます。

 

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ここだけのこぼれ話

  • 参考音源CDを販売するためにレーベル『ウォーキング・フロッグ・レコード』(Walking Frog Records)を設立したり、そのウォーキング・フロッグ・レコードで『シー・ブリーズ・ジャズ』(Sea Breeze Jazz)の廃盤CDを引き取り販売しています。
  • アルフレッド社(Alfred Publishing)で出版販売されていたウィントン・マルサリス(Wynton Marsaris)さんのトランペット曲集 3タイトルも、販売権を得て独占販売していたりもします。
  • ジェイ・チャタウェイ(Jay Chattaway)さん、ラルフ・ジンジェリー(Ralph Gingery)さん、そしてジェフ・テイラー(Jeff Taylor)さんが1970年に設立したウィリアム・アレン・ミュージック社(William Allen Music)や、マイク・カルビア(Mike Carubia)さんが2003年に設立したスマート・チャート・ミュージック社(Smart Chart Music)など10以上の音楽出版ブランドを取得(または独占販売権を取得)し、少しずつ品揃えを強化しています。

 

参考資料

 

Publisher who's whoビッグバンド譜面マーチングバンド楽譜吹奏楽楽譜

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